パッソ・デロ・ステルヴィオ

海森 寄与師老です。’12年夏BMW様にモーターサイクルをお借りし、ユングフラウに向かう途中、アルプスの峠越えを数か所で行いました。タイトルはイタリア領内のステルヴィオ峠のことで、最高地点2,757mでヨーロッパで2番目に高い峠です。モーターサイクルの聖地とされています。

自転車ロードレースの聖地でもあり、スポーツカーの聖地でもあります。ジロ・ディタリアで度々コースになり、【BBC/トップ・ギア】では、【世界最高/ドライビング・ロード】との評価の場所です。ヨーロッパで一番高い峠は、イズラン峠で、フランス領内(イタリア国境すぐ傍)にあります。最高地点2,770mです。やはり自転車の聖地であって、ツール・ド・フランスで度々コースになります。ただし路面が悪くて、モーターサイクルの聖地ではない様ですね。日本での道路最高地点は乗鞍スカイラインの2,702mですが、マイカー規制が’03年から行われ、個人の自動車やモーターサイクルで行けなくなりました。’88年に行ったことがあります。標高は同じ位ですが、スケールがちっちゃいです。しかし、路面は凄く良いです。

その昔、南チロルがオーストリア・ハンガリー帝国だった時代には、イタリア/オーストリア国境だったのですが、第1次世界大戦の結果として、オーストリア・ハンガリー帝国解体、南チロルのイタリア割譲が行われ、峠両側共イタリアになってしまいました。1820~25年にハプスブルク家の軍事目的に建設されたため、独語称ステルフセル・ヨッホとも呼ばれてますが、峠の意のパスと名に付かないのは、完成時には行き止まりだったためです。翌年の1826年にイタリア側が国道建設として道路を繋ぎ、やっと峠の形になった訳です。ステルヴィオ峠から歩いて登れる、傍の山の頂上がスイスとの国境にもなっていますよ。

走ってみた感想としては、行けども行けども、ワインディング・ロードなのは良いとしても、所謂、カーブではなく、九十九折です。モーターサイクルの場合、(ロードの)ライディングではなくて、(トライアルの)取り回し、なんですよね。しかも片側は【奈落の底】なんです。楽しいというよりも怖かったです。何で聖地なのか解りません。『グロスグロックナーの方が路面も良い、道路から氷河も直接観える、全然良いと思うな。』日語で1人で騒いだら、自動車のイギリス人ドライバーが、最近はそういう評価だよ!と英語で教えてくれました。日語が解ったのかな?固有名詞はそのままだから、そういっていると感じたのかもです。

写真は峠の頂上から東側に少し下ったポイントです。奈落の底に九十九折が観えます。森林限界をとっくに超えた標高です。

写真は峠の頂上。ハプスブルク家のトーチカだったところは現在ホテルになっています。なるべくモーターサイクルが写らない様に撮ったのですが、随分と写ってしまいましたね。もう、うじゃうじゃいます。各国のナンバープレートのモーターサイクルが。

写真は上の写真の道路反対側。土産物屋の長屋です。冬は寒く、同業者同士で寄り添うのだとか。南極大陸のコウテイペンギンと同じですね。奥の山の頂上がスイスとの国境。

写真は峠の頂上のホテルで頼んだ水。微炭酸で美味かったな。知らないブランドでした。このホテル、メニューに、ドイツ、オーストリア、イタリアのビーアー/ビルラがありました。昔は国境だったのだなあ、と感じました。そうではなくて、ただ単純に、イタリアのビルラは美味くないからかな?

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