【ホスピタリティ】と【サービス】の違い

海森 寄与師老です。今回の出張の週末は、モーターサイクルでユングフラウまで行きました。この、【投稿】はユングフラウ鉄道群についてではありません。そちらよりインパクトが大きかったのです。麓の街である、インターラーケンで遭遇したことからの【連想】です。ユングフラウ鉄道群に乗った後、インターラーケン・オスト(東)駅から街中心をぶらついてインターラーケン・ヴェスト(西)駅に向かって徒歩中でした。近くの時計店に、お気に入りのロンジンのモデルがあり、『何で田舎にあるの?』、『ここはスイスよ!』、どうでも良い、やり取りをしていたら、【魚をまな板に置く様な音】が聞こえました。慌てて外に飛び出し、確認すると、インド(出身のイギリス)人の女性が倒れていました。誰かが歩道に落としたアイスクリームに乗って滑って頭を打った様でした。時計店隣の刃物店の女性主人が、救急車の要請し、時計店の女性主人がアイスクリームの掃除と倒れた女性のサンダルの修理まで、隣の刃物店の刃物で行いました。あっという間でした。業務や使命である、【サービス】とは1味違う!これぞ、【ホスピタリティ】なのだと思いました。ユングフラウが、名だたるアルプスの中にあっても、飛び抜けた観光地だと述べました。ところが、スイスのベルン州のベルナーオーバーラント地域は田舎ですよ。麓のインターラーケンだって人口1万人に満たない田舎街ですよ。ところが、物凄い入込数の観光客を受け入れる能力があるのです。人口の100倍位/年の能力が。

写真はインターラーケンの街並みと、インターラーケン・ヴェスト駅です。無人駅ですよ!遠くにユングフラウとメンヒが観えます。アイガーは手前の山に隠れて観えません。

【ホスピタリティ】は、直訳では、【思いやり】や【おもてなし】という意で、特にサービス業でよく使われますが、それだけでは語れない、さらに進んだものだな、と思った次第ですね。見た目の姿や形式的行動である、【マナー】は相手に不快感を与えないための最低限のルールですが、それだけでは何も生まれませんね!そこに、【業務】と【使命】が加わり、サービスになり、【心】と、【行動】が加わり、ホスピタリティになるのでしょう。信頼、信用、安心、心地良さ、までも加わりますね。インターラーケンにまた来よう!と思いますって。でも、チーズフォンデュは、夏には食べたくありませんけどもね。口の中、火傷だらけに。【サービス】の語源は、ラテン語で、奴隷、の意です。それが、召使いの意へ、さらに転じ今の意に。語源の通り、サービスを受ける立場が主で、サービスを提供する方は従で、主従関係がハッキリしていますね。【ホスピタリティ】の語源は、ラテン語で、客人の保護、です。転じ病院やホスピスやホステスの意に。対価ではなく、【思いやり】や【おもてなし】に重点を置くことが、サービスと違います。さらに進んで、【喜び】を与えることなのでしょう。ホスピタリティで重要なのは、人格、信条、個性、感性、行動、それを支える知識と体力も必要になりますね。報酬を直で求める行動ではありませんよ。巡り巡って、報酬は結果として後から付いて来るとの考えです。一朝一夕(一潮一汐)に出来ることではありません。

●第1段階、当然しなければいけない、【サービス】をする。簡単な様で、ここで躓いている【街興し】が多いのでは?地元向けの祭りを外に開く(神輿の担ぎ手だって来ます!)ことは全くしないのに、余所者向け祭りの新設や、bbs開設を、かなり頑張ったサービスだと思っているフシがあるが。

●第2段階、お客様の満足度を高める【サービス】をする。良い印象を与える努力を行い、CS(顧客満足)に繋げる。CSI(顧客満足度指数)計算式というものも存在するのですが、ここでは割愛します。サービス業より製造業で使われることが多いです。モノ作りや整備でも満足度は重要です。整備のことを【サービス】という位です。

●第3段階、お客様がして欲しいことを真剣に考え、お客様が求めている要望の上を行く、【ホスピタリティ】にする。自分の親友や家族に接する以上の気持ちで、お客様に最善の試みを行い、そのため、【ホスピタリティ】を行う側も能力開発を行わなければならない。英語が出来ることは大きな強みになるでしょう。近い将来では中語でしょうか?極最近は尖閣のために、その様な感じは受けませんが。

【サービス】提供で止まるのではなくて、【ホスピタリティ】提供迄行える様になれることで、お客様の満足、地域全体の利益向上にまで繋がるのではないのかなと思った訳ですね。決して都会的になる必要なんかないです。都会的ってスラム的とほぼ同義なんですよ!名実共に立派な田舎!インターラーケンも独語圏だけど標準独語は使えない田舎です!ただし、英語は使えます。翻って私の故郷の、夷隅郡市において、【サービス】でやっているといわれている事柄と、それを受け止める、お客様の反応には、どちらにも成熟したものが感じられないのです。最も解り易いのが、【無料駐車場】についてです。タダより高いものはないです!当たり前ですが、【サービス】も、【ホスピタリティ】も受けられませんね。駐車して安心ではないのです。ちゃんと管理し、かかるコストを受益者負担にすることが、当然のことだと思いますけど。誰がやるんだよ!という議論に直ぐにすり替わりますが、考えるべき者はいるハズ。其々の立場の者が、其々に考え、集団の中でコンセンサスを取ることが必要なんです。【無料駐車場】廃止、有料化は都会からいらっしゃる、お客様のクレームも多いですね!残念ですが、お客様も(年齢は高いにも関わらず)成熟度が低いといわざるを得ません。お客様は不特定多数で、コントロールは直接出来ませんね。しかし、【ホスピタリティ】提供側は意思統一し易いハズ。田舎は人口も少ないですから。

あるレベル以上の【ホスピタリティ】が提供出来る様になれば、お客様の総数も増え、あるレベル以上のお客様も比例して増えるでしょう。そうなれば、あるレベル以下のお客様が遠のくハズ。お客様の資質が入れ替わるためには、お客様の絶対数が必要なのですね。航空会社毎に、お客様の層がなんとなく似て来ますね。私の大好きな航空会社である、ルフトハンザは、旅行好きレベルには、『限りなくYに近いCだった!』とかいわれますが、そういう方は日本の航空会社のビジネス・クラスか、ルフトハンザならエコノミー・クラスを使うべき。多頻度でヨーロッパに行く者には、重要ホスピタリティが希薄サービス、です。皆が来るべき業務のために必至に寝ているのに、1人だけ、ミール全種類ムシャムシャ、ワイン全種類ガブガブ、ではね。そういう経験から、旅行好きレベルも自分にマッチした航空会社を見出し、収まるべき鞘に収まるのでしょう。同様に、観光地といわれる地域毎にもあるのだと思います。残念ながら、私が良く行く沖縄本島は、お客様の絶対数は凄いのですが、お客様の資質は夷隅郡市に似ていて低いです。つまり、夷隅郡市で、お客様の絶対数だけ増やす努力を続けた結果(最高のシナリオでも)沖縄本島と同じになって、治安悪化とゴミ増加だけして、経済的には国内最下位にということになりかねませんよ!そのために受け入れる側も、常にレベル向上を目指している必要があると思いますが?

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