Pax Britannica転じて老いた国へと

海森 寄与師老です。昨今は暴動で騒いでいるイギリス。スペインのバスク地方のサン・セバスティアンで爆破テロにも遭遇しましたし、よくある話ですが。タイトルは羅語です。読みはパクス・ブリタンニカで意は、【イギリスによる平和】です。

私が行きたくない、イギリスという国についてです。産業革命による工業化で19世紀は覇権国家でした。パクス・ロマーナ(ローマによる平和)をもじって、パクス・ブリタンニカ(イギリスによる平和)といわれる時代がおよそ100年も続きました。その前はパクス・ヒスパニカ(スペインによる平和)でした。16世紀にスペインがイングランドに攻め入るための海戦で、イングランドは歴史的大勝を得ます。スペインの無敵艦隊(アルマダ)を破ったのですから。その後、しばらくはパクス・ヒスパニカが続きますが、もうイングランドには手出しが出来なかった様です。

18世紀にスコットランドと合併し連合王国となり、19世紀にはアイルランドを併合、植民地とし、覇権国家となって行きます。ほぼ同時期にナポレオンのフランスの時代が来ましたが、大陸だけが混乱し、イギリスには影響がなく、むしろ戦時特需で経済的に豊かになって行きます。10年程でナポレオン時代は終わりますが、イギリスの時代は続きます。この頃には、貴族の国だの、紳士の国だの、纏まっていた様です。ただ、18世紀にアメリカ独立戦争で躓きましたが。

20世紀になり、アジアでは、日本が日露戦争に勝利して、ロシアでは革命機運が生まれました。ヨーロッパではドイツが台頭してきて、独英戦争は避けられない状況になって行きます。20世紀の戦争は、独立させてしまったアメリカが超大国に育っていて、台頭してきた日本とドイツを足しても及ばない1人勝ちの状況になります。政治的にアメリカを巻き込めたため、ドイツには勝利していますが、この頃には老大国家の体になりつつあった様です。長い歴史の中での、【浮き沈み】がどんな国でもあります。特に覇権国家になったことがある国は、

①戦術国家(アルマダを破った英海軍、バルチックを破った日海軍)

②特需国家(ナポレオン時代に大陸の国に戦時物資を売り財をなしたイギリス)

③覇権国家(工業化して)

④戦略国家(この時、工業化していたのはアメリカ、ドイツだが、アメリカを上手く使い、ドイツに戦勝したイギリス)

⑤老大国家

⑥混乱国家

となって行きます。ローマも、スペインも、ロシアも、中国も、特に中国は歴史上何回も繰り返しています。現在のイギリスは⑤と⑥の間状態なのでしょう。仮にも、貴族の国だの、紳士の国だの、いわれたことがあるので、国全体で混乱したりはしないでしょうが、1部が暴徒化しやすい国民であるのは、フーリガンでも明らかです。’06ワールドカップ時にドイツにいましたが、イングランドの試合がある時は、ドイツでは警察だけでなく、軍を出していました。自国にいるときの監視天国も外国でフーリガンになりやすい原因でしょうね。まあ、上手く纏めてくださいまし。キャメロンさん。超不味い、フィッシュ&チップス、食べに行きますから。

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