キハ52が超弩級?使い方が変よ!

海森 寄与師老です。【超弩級の新型車、キハ52導入】というタイトルが何所かに。でも、検索しても観つけらなくなりました。間違いに気が付きタイトルを変更したのでしょうか?本文が読みたかった訳ではありまん。鉄道はレールの幅や車両限界や輸送力から、超大型や超小型の旅客車両はなく、時代変遷しても変化しません。ボギー車同士なら、大きな、24系25型客車と、小さな、いすみ200型で、容積比で2:1位の差では?ところが、船舶だと、様々な大きさのモノがあります。1:1,000,000位の差まであります。超弩級ってもともと船舶(軍艦)用語なのです。

超弩級とは弩級を超えるもの、弩級とはイギリス戦艦のドレッドノート≒20,000tと同等のモノ、を指します。この「弩」はドレッドノートの頭の音を取った当て字であって、漢字の意(おおゆみ)との関係性はありません。ドレッドノートとは、怖いもの知らず的な意です。日露戦争での日本海軍の活躍から、それらをも凌駕するという目的で日露戦争後に起工したものの、わずか10年後の第1次世界大戦時に、すでに旧式艦になってしまいました。この10年の間だけ正しい用語として使われたことばだったのでしょう。その後の40年程は大艦巨砲主義が続きます。ビスマルク級≒50,000tさらに大和級≒70,000tも出現することになります。ドレッドノート級の2倍以上、3倍以上です。どちらも、起工時には国力が疲弊して2番艦(夫々ティルピッツ、武蔵)迄しか建造出来ませんでした。この時点で、正しい用語としては死語だったでしょう。現在は、【とても大きい】とか、【もの凄い】の表現に使われています。ギターもドレッドノート型ということばがあるそうですが、こちらの意は?です。語源は同じイギリス戦艦らしいですが。

第2次世界大戦後は、制海権を得るには、戦艦ではなく、航空母艦々載機だという時代が60年程は続くことになります。大和級戦艦の大きさを超える航空母艦は’68年起工の原子力のニミッツ級≒100,000t迄はありませんでした。航空母艦自体は、直接兵器ではないので、モデルライフが長くニミッツ級では10番艦まであります。もう量産機種です。そして現在、制海権を得るには航空母艦々載機よりイージス艦搭載システムやミサイルといわれる様になりました。システムやミサイルの種類で、制海のみならず、地上攻撃、ミサイル防衛、対潜哨戒攻撃も。イージス艦の本体は巡洋艦か駆逐艦で≒10,000t程に。ニミッツ級原子力航空母艦の1/10の大きさです。ドレッドノート級の1/2です。軍艦としては小さくなりましたが、もし衝突すれば漁船なら沈没します。イージスとは、ギリシャ神話に出てくる楯アイギス(/希、イージス/英)のことですが、漁船に楯突き付けてはダメです。

【超弩級の新型車、キハ52導入】というタイトルは、2重にことばの使い方の間違いがありました。いすみ200型より大きいですが超弩級という程ではなく、新型車でもありません。むしろ骨董ですよね?【超弩級新型社長、骨董キハ52導入】これなら、納得できます。

写真はドレッドノートのプラモデル。本物(鉄の20,000t)は、とっくの昔にスクラップへと。きっと、再利用はされているでしょう。’10はビスマルクの模型を組み立て、ティルピッツに改造しました。大和は(武蔵も)喫水より上が重たそうで船としてはカクワルです。アニメの【宇宙戦艦ヤマト】は、タイトルと宇宙船のベースモデルを【宇宙戦艦ビスマルク】にした方がカクイイと思います。デスラー総統というのも出てきますしね。

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