【注意喚起】浜でバギー車乗るな!

海森 寄与師老です。いすみ市岬町の夷隅川河口付近海岸(和泉浦と日在浦)は、太平洋に生息するアカウミガメの産卵地の北限です。すごく貴重な場所なんです。私も川側はモクズガニを捕りますし、海側はサーフィンに使いますので、清掃はしています。初夏から真夏にかけて、夜の満潮時に産卵するため上陸します。あまり知られていませんが、その前の日中の満潮時に下見をしに、サーフゾーンまでやってきます。波待ちしていると見かけるのはこのためです。ハワイでは【波乗りの安全の神様】と崇められていますが、サーフゾーンまで来るのは産卵絡みなので全部メスです。

いすみ市では平成19年度からウミガメ保護条例を制定、施行してくれてはいます。夷隅川上流域からの流竹木の流出と海岸への漂着がウミガメ繁殖活動への大きな支障になっています。ゴミがあると稚ガメが海に出られず衰弱死していまうからです。いすみ市だけではなく、上流の大多喜町も勝浦市も御宿町(落合川経由)からも流竹木の流出がある訳ですから、夷隅郡市全体の問題だといっても良いと思いますが、いすみ市職員数名、監視員3名、ボランティア21名と、人手が足りていない様です。

サーフポイントと被っているところは、海岸清掃のNPOとサーファーの自主活動でそこそこ綺麗になっているとは思いますが、夷隅川北側はウミガメ関連と海浜植物関連でしか清掃される機会がない様です。直接的な保護活動は、監視員の方々にお任せするとして、体力つくりを兼ねて海岸清掃ボランティアしましょう!自然保護絡みの活動になりますが、いすみ市の観光資源の意味では、いすみ鉄道同様です。自然が創ったものは、人が造ったものよりも、もっと貴重です。参加される場合、監視員、ウミガメ保護ボランティアの方の指示に従って行動してくださいね。

漂着ゴミ、流竹木以外にも、バギー車の海浜乗り入れの問題もある様です。バブルの頃にはそういう輩がたくさんいましたが、現代においてもそんなことをする輩がいるんですね。困ったものです。バギー車で轍をつくると孵化した子亀が乗り越えられずに立ち往生してしまうそうです。産卵したところを踏み固めてしまい子亀が出られない可能性もありますね。是非とも止めていただきたい行動です。見かけたら、いすみ市役所に通報します。また、私だけでなく、付近の方やサーファーの方は同様に通報、乗り入れようとする輩への注意喚起をお願いいたします。

P.S いすみ市のウミガメ保護ボランティアの方の内には、航空便でいらっしゃる程の遠方の方も(山陰地方だったかな?)いらっしゃるそうです。また、某航空会社クルーの方も(成田からに限らず羽田からも)いらっしゃるそうです。

写真は沖縄の慶良間諸島にてダイビング中に傍に寄ってきたアカウミガメ。甲羅に付いているのはコバンザメ。沖縄ではアオウミガメの方が多くてアカウミガメは滅多に見ません。翻って房総半島ではアオウミガメの若い個体は沖合いにいますが非常に少なく、産卵地は屋久島より南です。良く見かけるのはアカウミガメです。

写真は三軒屋海岸のバギー車の轍。ゴミではないが、海岸の環境破壊です。

写真は同じく三軒屋海岸のバギー車の轍。子亀が横切った跡も。乗り越えられずに、息絶える子亀もいるかもしれません。

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