空洞化する製造業、韓国の戦略

海森 寄与師老です。’04年頃に同僚が、韓国企業の在日研究所に勤めを変えました。この頃、日本向け商品があり、日本で開発していました。パワートレイン(列車ではない)は韓国研究所で仕様を決めているらしく、よく韓国へと出張していましたが。在日研究所は印西市、韓国研究所は仁川(インチョン)にあって、どちらも空港の傍なので出張は楽、自宅は富里市で、仁川に行く方が千葉市に行くより、遥かに楽であり、通勤も可能とか。

その後、日本向けからは撤退してしまい、在日研究所は制御や弱電の商社の様な機能になりましたが現存します。この例とは全く違う構造ですが、日本企業に日本向けの研究開発や生産を韓国でやってもらう、というのが韓国の戦略です。この判断材料だけでは、メリットばかりでデメリットなし、韓国に進出しよう!と思えます。しかし、それは現存する企業の都合です。実際の日本社会では、今後、雇用の先細り、法人税収の低下、中国に進出した場合よりも、危険は少ないが、技術の流出、が発生します。

◎日本側の背景として、このところずっとの事柄

●¥高(というより$と€安)日本で生産、輸出しても利益なし

●どうせ海外に流出しかないなら、中国ではない場所へ

 

◎日本側の背景として、3.11震災後の事柄

●電力不足で節電させられて、かつ電力料金値上げ

●部品生産拠点が復旧していない(東北地方に多い)

 

◎韓国側の背景

●北朝鮮との関係悪化から開城(ケソン)工業団地の稼動低下

●新工業団地への入居加速、法人税収増大

●韓国部品メーカーに日本仕様の部品供給させ、双方にメリット

●韓国内の雇用促進が図れる

●釜山(プサン)港の物流戦略に乗っている

さらに、ハブ港としての【釜山港の栄光】にもさらに花を添えることになり、日本の港では、束になっても、釜山港1港にやられっぱなしなのです。北海道の昆布を最も消費しているのは沖縄県ですが、荷の積み替えをしているのは釜山港です。日本の港ではなくです!日本国内物流でも釜山港に¥が落ちる構造になっています。桂銀淑ではないですが、【釜山港へ帰れ】ですね。そうそう、FTA(自由貿易協定)でも韓国の方が先を行きます。日本企業を巻き込んだ戦略?

この流れは止められません。歴史は繰り返すのかも?朝鮮戦争の特需(を原資にして)日本は戦後の高度成長を成し遂げた、といえるでしょう。【対岸の火事】で大きくなったと。そして現在、震災で製造業の復旧が遅れているうえに電力不足の2次的な不具合です。韓国から見れば、戦争ではないが、やはり【対岸の火事】です。大きくなるためのチャンス到来でしょう!将来は、仁川便で通勤してたり?だったら成田市にアパート借りないと!日本もイギリス同様に没落ですかね。19世紀のイギリスほどは大きくなっていませんが。

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