地域自慢!イサキ!水なます!

海森 寄与師老です。イサキ、私にとっては最大の【ごっつぉ】ですよ。この魚、南方系で太平洋側では房総半島が生息の北限ですが結構変わっています。東シナ海、南シナ海にはいる(タイのサムイ島で食べた)のですが、沖縄県を含む南西諸島にはいませんね。珊瑚礁が嫌いなのでしょうか?岩石と茶色系の海草、海藻が好きなのかも。属違いの、ホシミゾイサキ(沖縄本島でガクガクという)はいますが。科が違う、タカベも、房総半島が生息北限で、かつ九州までしか分布していません。沖縄県を含む南西諸島はいません。イサキともタカベとも科が別の、見た目はタカベに良く似てる、タカサゴやウメイロモドキはいます(両方とも沖縄県では食材としてグルクンというが、本当はタカサゴだけ=グルクン=沖縄県魚、です)よ。タカベとグルクンは味は全く違います。タカサゴとウメイロモドキは食して味の差は解かりませんので、食材としては同一視しても何ら不都合ないでしょう。

沖縄県を除く半国(房総半島より南)全体では、タカベの方が美味い、とされていますが、房総半島で食すると、イサキの方が美味いです。タカベも十分以上美味いですが、あえてどちらかといえばイサキでしょう!いずれにしても1位と2位なのは間違いありません。3位以下は人によるでしょう。いい様で、どれでも3位なのだと思います。’09年にサーフィンのコーチになるための授業が伊豆半島でありました。体育会でした。このとき47歳。プロやトップアマやライフセイバーの若者と泳ぐのはキツかったのですよ。毎晩、この若者達と、伊豆半島の漁師達と、呑みました。キンメダイとイサキとタカベを持ってきてくれましたが、キンメダイとイサキは房総半島産の方が美味いと思いましたね。ところがタカベはかなり美味かったですね。なるほど、イサキが私にとっては最大の【ごっつぉ】というのは、房総半島限定なのかもしれません。

捕れる場所で味が違うことはままありますが、美味いものばかりの海の魚にあって、最も美味いと思う、房総半島のイサキ、機会があったら食してみてください。刺身で食す場合、刺身しょうゆではなく、減塩でもない、普通のしょうゆを少量、の方が美味いです。タカベもです。刺身しょうゆは脂肪が多い魚用です。使い方をちゃんとしないとね!脂肪ぎっとりの魚の焼きにも適してますが、刺身には全て刺身しょうゆでは、魚を食べ慣れていないのがバレますよ!【刺身しょうゆ】ではなくて、【脂身しょうゆ】というのが正しいです。もっとも、焼きで食せば、食べ終わりの状態を観れば、食べ慣れているかどうか完全にバレます。イサキは見た目は冴えない魚なのですよ。参照ください。

夏の食べ方で、《水なます》です。夷隅郡市でなくても、食すことはできます。私が最も好きなのは、イサキのものですが、マアジが一般的で、美味いです。トビウオが好きな方も。《水なます》とは夏の香味野菜と、魚、味噌だけで作る冷たい味噌汁で、超インスタントです。本来、漁師が船上で食らうものですから、荒っぽく、いい加減に作らないと、カクイイ食べ方にはならないです。組み合わせる飯は冷や飯です。暖かい飯ではマズイですよ。注意が必要です。夷隅川水系のコシヒカリだと尚一層、【ごっつぉ】ですよね。イサキ1尾、キュウリ1本、ミョウガ2個、シソ4枚、味噌大匙2杯、を叩き、冷水100cc、で溶き、冷や飯1合位にぶっかけます。ルールなんてないのですよ。叩きは荒め、キュウリ多め、ミョウガ多め、ネギ抜き、ゴマ抜き、ワサビ抜き、味噌多め、梅干し梅肉入り、氷水、が私好み。香味は、お好みで増減して。これを、かっ込んで暑い盛りに出かけて行く。味噌の香りと、塩分(良い塩梅)で身体が清々しいです。1日の元気を出すための料理?が《水なます》。夏になったら、地域の者に作ってもらってください。超美味いですから!1回の食事で5杯は食せるでしょう!見た目は(内実も)猫飯ですが。

写真はぶっかけ飯にした、《水なます》です。美味そうに見えません。スミマセン。

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