馬運車(馬車ではない)をご存じ?

海森 寄与師老です。私は自動車は好きではありません。しかし、働く自動車は例外的に好きです。そもそも働いていない自動車や機械なんてないだろ!なんてツッコミなしです。広義ではほとんどが働く機械ではありますよ。私が述べるのは、狭義の裏方の意ですよ。このツッコミするヤツに限って、《働かない機械》である、《鉄道模型マニア》だったりして。それはさておき馬運車です。これはウマが使役させられて引っ張る車両(馬車)ではなく、おウマ様がVIP待遇でご乗車される、《おウマ様のビジネスクラス》の様な車両です。

私は、基本は、栃木県と夷隅郡市の往復に自動車を使っています。宇都宮市⇔つくば市⇔成田市⇔山武市⇔夷隅郡市です。宇都宮市に戻る場合(日曜日夕方)に、成田空港付近R408走行中に見ます。おそらく、中山競馬場から美浦(みほ)トレーニング・センター(茨城県稲敷郡美浦村のJRAの施設)へ戻る途中でしょうか。この、《馬運車》、注目点が2つあります。1つ目は運転技術です。2つ目は車両です。ギャンブルにも競走馬にも興味はないです。

1つ目の運転技術ですが、ご乗車のおウマ様は、名だたる名馬様。車内事故発生させ、足を骨折させたら、賠償金は¥何億にもなってしまいます。このため通常の自動車事故対応の保険には入れないのだそうです。ですから運転は繊細にして大胆。R408の信号のタイミングも全て解って、信号で止まらないためペース配分をしています。車内事故の大きな原因が停止と発進であることを考えれば当然ですよね。後ろを走ると楽ですから、成田市土屋(ココは2車線以上あるので)で見かけたら後ろにもぐり込みます。特殊なモノを運ぶ、特殊な運送業が、色々ありますが、トップ・オブ・運送業と思います。原子炉燃料運搬の様な、露払い的伴走車もありません。

2つ目の車両ですが、外観はバスの様ですが、ナンバーは1。つまりトラックの扱いです。でも、トラックのメーカーカタログに、この様な形のトラックも、近い形のバスもありません。しかし 、メーカーラインオフしてからの改造申請ではなくて、レッキとした形式認定車両の様です。おウマ様は4名様同時に、ご乗車出来るそうですが、名馬様はおひとり様ご乗車されるとか。お馬様の体重は0.5t程。おウマ様4名様同時ご乗車でも2.0t程しか積載していないことになります。それなのに4軸です。低床を実現のために、小径タイヤを使用し、おウマ様のおみ足のため少荷重エアサスペンションを装備したためと、接地面圧低減のために4軸が必要だとか。パドック近くは土ですものね。後面のあおりは倒すとスロープになります。リフトではありません。おウマ様はご自分のご意思で、ご乗車されるのでしょう。稀に、おウマ様がご乗車ではない、回送中馬運車も見かけます。実は外観に似合わず、もの凄く速い自動車ですよ!トランスミッションは5MTでした。通常の4t車位ですと6MTが普通ですが、前述の通り積載量が2.0t程でありエクストラローギヤを省いたのでしょう。

写真は馬運車で最もカクイイ、JRAモデル。ディープインパクト様専用車。

P.S 戦後しばらく(’47年頃までか?)は競走馬の輸送は鉄道貨車(の専用車)だったそうです。しかし色々と不都合があったのでしょう。完全に自動車に取って代わったそうです。

埋め込は、借用です。’10年ゆめ半島千葉国体で、勝浦市が馬術競技会場でした。行川アイランド駐車場は馬運車がたくさん。こんなに賑わったのは何年振りでしょうか?中にはタダのエルフも。あれで運ばれたら可哀そうです。

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