(現)DMF13系エンジン?何用?

海森 寄与師老です。古新聞ですが。(現)DMF13系エンジンはとても良いエンジンです。難しいことは割愛します。直列6気筒は1次、2次振動が理論的に発生しません。ボンクラが設計しても、天才が設計しても、バランスに関しては同じです。対して直列8気筒では、2次振動が発生します。2次振動とは、クランクシャフトの回転数の2倍の周波数で加振されることです。例えば1,800rpmで力行中だと、(1,800/60*2)で60Hzで加振されます。ブワーンと身震いする様な振動と、振動と連動した音ですよ。直列6気筒でも3次以降の高次振動(特に6次)は発生するのですが、変位が小さいため振動として感じなくなって、音(音波も振動ですけど)です。同じく1,800rpmを例にすると、(1,800/60*6)で180Hzの音が聞こえます。ジュイーンといった音になります。ガラゴロという燃焼音とは別ですが、それも直噴の(現)DMF13系エンジンは副室のDMH17系エンジンよりよっぽど静かで、バージョンによって3倍の出力になります。DMF13HZというバージョンの出力あたり燃料消費率【BSFC】(Brake Specific Fuel Consumption)が、130kW(DMH17では定格点)でおよそ半分なんです!PM(排気煙微粒子)濃度は1/20です。このエンジン搭載車両の屋根が綺麗なのを知っていますか?

国鉄はローカル線用気動車の置き換えを図るために、大柄で頑丈な車体に(DMH17系エンジンと比べても)あまり高出力ではなく、旧態然のままの副室式のDMF15系エンジンを搭載して鈍重と不評だった、キハ40系の反省から、省エネルギー・高効率化を目指し採用されたのが、船舶用直列6気筒縦形直噴式ディーゼルエンジンを車載用に設計変更した新潟鐵工所(現:新潟原動機)製6L13ASエンジンでした。このエンジンは国鉄の制式採用に際し、エンジン形式名ルールに従って、ディーゼルエンジン、6気筒、排気量13l、過給器装備、からDMF13Sの呼称になりました。その後、縦型から横形のDMF13HSに設計変更され、分割民営化直前に製作された各形式に採用されました。その後も改良が繰り返され、JRグループ新造車、民鉄・第3セクター鉄道用車両に用いられ現在に至り、多くのバージョンがあります。小松製作所(現:コマツディーゼル)製SA6D125エンジン、JR呼称DMF11系も良いエンジンです。ほぼ同じ性能とバリエーション展開です。

しかし、DMF13という呼称は55年も前にも使われたことがあります。キハ04の、天然ガスの産地である千葉県に配置されていた車両は、1948(昭和23)年からガソリンに代えて天然ガス車改造されました。天然ガス車はガソリン使用時の約80%に出力低下するも、始動不良やエンジン損傷などの問題がなくて、木炭ガス発生装置など他の代替燃料車に比べると成績は良好だったそうです。しかし天然ガス車は、ガスが高価であり、ガス充填の手間(茂原まで回送しなければならなかったとか?)やコストが発生したり、ガス爆発のリスクなどの問題を抱えており、その後エンジン老朽化とディーゼルエンジンの実用化、燃料統制解除で役割を終えました。数年を待たず再改造、ガソリン・天然ガスエンジンと置き換え可能にするため、DMH17を2気筒減らしたモジュール設計である、(旧)DMF13に換装されました。国鉄木原線でも、キハ04が昭和36年頃まで走っていたそうですから、DMH17を2気筒減らしたモジュール設計の(旧)DMF13が5年程走ったと思われますが、昭和36年生まれの私には覚えがありません。

(旧)DMF13が走ったと思われる国鉄木原線。DMH17の時代はこれより後で、キハ10系からなんですね。ここからは私もハッキリとした記憶がありますし、DMH17の時代は、JR木原線廃止までですから長かったです。この時代を知っている方々は懐かしい音と振動なんですが、洗練されたものを知っても罰は当たりませんよ。(現)DMF13系エンジンは、良いエンジンだという以外、私は何も知りませんよ!じゃあ何の話だったんでしょうか?適当に想像してみてくださいね!

P.S DMF15の呼称は連続使用されていますが、改良/改造され、別メーカー/別エンジンになっていたりまでします。キハ40系デビュー時のオリジナルはもう存在しないのでは?別メーカー/別エンジンはDMF11/DMF13のスケールアップバージョンと思って良いか。こちらはJR久留里線に?

図はアッセンブリ図といい、組み立てた状態の図面です。

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