夷隅郡市語彙集

東京都や千葉市と近く、人口稀有、過疎化激しい、夷隅郡市の語り、は絶滅危惧ことば。皆さん難儀?少し理解できれば音も聞きとれる様になり、さらに進めば意も解かります。そして、語れる様になってください。ということで、夷隅郡市の語彙を紹介します。

人口稀有で、過疎化したために、世代ことばが生成されず、古いことばが残っています。東京都の下町の借用語などにも元の意が残っています。当の東京都のことばが進化してしまって、違う意になっていたりも。差別用語がなく、平和で食べ物も豊富にあったことが考えられます。無類の喧嘩好きです。東京都の下町以上です。食べ物に困っていたら、喧嘩する気力など湧かないでしょうし、精魂が余ってたんでしょうね。

夷隅郡市の中でも地区差があります。その際は、【大原】とか【勝浦】とか注釈をします。ニュアンスの上下の地区差もあります。【岬】地区は長生郡市のことばが、【勝浦】地区は安房郡市のことばが混じっており、【夷隅】地区はほぼ【大原】地区と共通、【大多喜】地区の語りは詳しくはありませんが、ほぼ【勝浦】地区と共通?【御宿】地区は【大原】地区と【勝浦】地区の中間的変化と混在。抑揚が最も大きく、最もこの地域らしいです。

地区が違っても意思の疎通は完全にできます。他県、他地域の方が聞いたら、理解できずに、【差異なし】と思うのではないでしょうか?全体としては、以下の通りです。

●職業的な集落によって語尾が変化する。例えば、『そうです』だと、漁村『そだお』、農村『そだの』、街場『そだね』になります。地区差とは別です。

●話ことばは、同じ母音が2つ続く場合には1つ省略する。母音後の『た行』は濁る。【勝浦】、【大原】、【大多喜】は、それぞれ『かつら』、『おはら』、『おだき』です。

●関東地方ですが紀伊半島渡来の影響で関西っぽいイントネーション。同し語彙、『けったくそわりぃ』もある。地名は多数同じものがある。

●東京都の下町と全く同様の語彙『ちょろい、のべつまくなし、ふてぇやろう』もある。何時から使っているか不明ですが、東京もしくは江戸からの輸入語でしょう。

●関東地方土着(茨城県と共通、東京都と共通)の語尾、『だっぺ、だよ』が混在している。神奈川県と共通の『だべ』は夷隅郡市では使われてはいない。職業的な語尾変化と相性悪いから?市原郡市で使うとの情報(未確認)もあり。

●関東地方全体のことばのエリアでもあり、オイカワを『ヤマベ』、ウグイを『ハヤ』、と呼び、スズキ、クロダイ、ボラ、ブリ等の出世魚の名称変化も他の関東地方と共通です。紀伊半島渡来の影響が魚名にないのは不思議です。農業用語に茨城県と共通の語彙『おだがけ、なぁしろ』が多いのは農業技術が水郷地域から伝わったからでしょう。夷隅川水系の米の方がはるかに◎△いですが。

 

特徴的なものだけを載せました。=の後ろが標準語と説明です。

●あ行

あぁで=何で、『あんで、あで』に変化している場合も多いが、あくまで個人の話し方の差。

あい【大多喜】=アユ、市原郡市の語彙の借用か?

あおなじみ=青あざ、野菜の打痕

あかまんま=血液

あぐりあみ=揚繰網と記す。巻き網の1種で、夷隅郡市の語彙、というよりも千葉県全域と紀伊半島の語彙、漁法です。江戸前期、近畿や瀬戸内地方で始まった綿作は速効性の魚肥を大量に必要とした。紀伊半島の漁師はイワシの漁場を開拓し、遠く九十九里浜まで来たらしい。イワシの盛りを過ぎても漁師が移住し(夷隅郡市と安房郡市が多い)、漁法を伝えあった。その後も交流があるため、動力船になってからの漁法ですが、同じ語彙があるのでしょう。どちらがオリジナルか不明ですが、広く千葉県全域で、使われている語彙、イワシ漁以外にも行われている漁法、であることを考慮すると千葉県発祥の、語彙、漁法、では?

あじきり=小さな出刃包丁、かなり便利。

あじょにもかじょにも【勝浦】、あじんもかじんも【大原】=どうにもこうにも

あて=わたし(あたいが転じた?)

あてらげ=私の家(女性ことば)

あぶく=浪の華

あんが=いいえ

あんご=ヒキガエル(他の種のカエルは『~げぇる』、ウシガエルなら『ふうまんげぇる』、カエル類全般なら『げぇこ』)

あんでんかんでん=何でもかんでも

あんなご=あの女子(3人称、シー)、良い意味では使わない。『あのおなご』の連続する2つのo母音を、2つとも省いた形。

あんにゃろ=あの野郎(3人称、ヒー)、良い意味では使わない。『あのやろう』のo母音がn子音に変化し、変化したn子音がy子音にくっついて捻じれた形。

いあう=出先でばったり出遭う

いかい=でかい、大きい

いける=生かしておく、生ける、の両方の意。『生かしておく』の意は、主に魚介と甲殻類に使う、標準語では、動物は『生かしておく』、植物は『生ける』、と使い分ける。

いごく=動く、標準語とごちゃ混ぜに存在する。標準語に対して、短縮もされないし、いい易いということでもないため、近い未来に死語になるでしょう。

いそっぴ=ショウジンガニ(もくぞといそっぴ以外のカニは『~がに』という)

いもじびぃ=芋泥棒、茎を引き芋を掘り出す様が地引網『じびぃ』に似ているから。

いんべやぁ【勝浦】、いっべやぁ【大原】=いきましょう

うっちゃる=捨てる

うりぼう=イサキの子供のこと。標準語はイノシシの子供。イノシシは●×くないし、子供迄も捕って食おうとはしないが、イサキは美味なので、子供(縞模様)でも捕れたら食べる。

うんてぇ=重たい、『うんと』何かを持つと、『うんてぇ』なのでしょう。

うんと=(必要にして十分以上に)たくさん

うんならす=一生懸命

おいねぇ=だめ、できない、受け入れられない(負えないが転じた?)

おおうり=白瓜

おおへび=アオダイショウ

おせる=捕まえる(押さえつけるが転じた?)

おだされる=怒られる

おっかんねぇ=怖い

おつけ=味噌汁

おっぺす=押す

おと=15歳位以上~爺さんまでの男、父や夫ではない。

おらげ=私の家(男性ことば)

●か行

かしこまる=行儀良い態度(標準語かも?)

~かしら?=自問的な疑問文、標準語では女性ことばだが、男性も使うことについては夷隅郡市ことば。おネーでなくてもです。

かじる=引っ掻く(例:けつかじったら、あかまんまだお!)おしりかじり虫のことではない。

かっくらす=殴る、ぶっとばす

がちゃがちゃ=クツワムシ

かっつぉ=カツオ

かつぶし=鰹節(例:かつぶしがへえった、にぎりめしくんな!)『おかか』という語彙は夷隅郡市にはない。

がなず=オオヤドカリ

がんごり=冬の寒い朝に張る氷(寒氷もしくは頑氷が転じた?)最近は滅多にないので死語になるかも。

かんそいも=干し芋、商業ベースは茨城県産がほぼ独占。自家消費用として夷隅郡市で作られていたが、湿度も下がらず、寒くもならないため、べたっ、とした仕上がり。したがって、茨城県産を買って食べる様になり、その袋には『干し芋』と書いてあるため、死語になると思われる。

かんぱ=きれっぱし、食べきれない部分(例:スイカのかんぱじゃ、けえねっぺ!)

かんます=かき混ぜる

きいな=食べて

きかねぇ=聞き分けがない、聞いても理解できない、聞こうとしない、の全ての意。お転婆、やんちゃ坊主、暴れん坊、も含むが、理屈っぽい、は含まない。

きしゃ=電車を含む鉄道車両、標準語では気動車も『電車』といっちゃうけど、逆のパターン。

きしゃみち=鉄道線路、鉄道敷地

きつね=婚姻色のアイナメ、獣のホンドギツネは房総半島では絶滅した。

きな=来い、来て、『こなきゃ、おいねぇよ』では不正解、『きなきゃ、おいねぇよ』でまあ妥協点、『きねっちゃ、おいねぇ(お、の、ね)』で正解。

きびしょ=急須

きもいれる=じれったい

きんちゃくがに(えっちがに)=ヒラツメガニ(甲羅のくぼみがH状)

きんつば=今川焼(大判焼)のこと。金鍔焼きの和菓子のことではない。使い方の夷隅郡市ことば。

くろ=畦(これであぜ以外にくろとも読む、標準語かも?)

くまんばち=スズメバチ類全部とクマバチのこと。大きなハチってこと。アシナガバチ類は含まない。

くわれる=刺し虫やクラゲに刺されること。ムカデやヘビに噛まれることも含む。

~け?=相手に対する質問的な疑問文

げぇこ=カエル類全般。種を特定する場合は『~げぇる』、ウシガエルなら『ふうまんげぇる』、ヒキガエルなら『あんご』。

けえね=食べられない

こう=此処

こうこ=御新香(香の物が転じた?)

こえぇ=疲れた

ごじゃばこ=分からず屋(ほんこんおいねぇ、との上下関係に地区差あり)『ごじゃばこ≦ほんこんおいねぇ』【勝浦】、『ごじゃばこ≧ほんこんおいねぇ』【大原】、『ごじゃばこ』は人物に限るが、『ほんこんおいねぇ』は人物だけに限らない。

こせる=作る(こしらえるが転じた?)

ごっつぉ=ご馳走

こてらんねぇ=良い意味のたまらない(堪えられないが転じた?)

ごにゃら=アメフラシ

ごろんぼぐい=食っちゃ寝と同義、そんなことしてると太るぞ!という戒めのことば。

こわめし=もち米の飯、赤飯も含む。夷隅郡市は、うるち米の飯も美味いが、『こわめし』はもっと美味、あまり知られていませんが。したがって餅も美味だが、保存料も使わず、湿度も下がらず、寒くもならないため、1月4日にはもうカビてる!

●さ行

さかしお=親潮が沿岸を洗い透明度が下がり海水温が下がること。

さんがやき=なめろう(な行参照)を焼いたもので、いわば魚肉ハンバーグ。美味。夷隅郡市だけでなく房総半島全体ことば。

さんずりけぇす=散らかす(艶語から転じた?)

さんぺら=サッパ、岡山県で『ママカリ』といってご馳走らしいが、夷隅郡市に限らず、関東地方では、外道中の外道。

しったか=バテイラ、茹でて食し美味。夷隅郡市ことばだが標準和名より有名。

じびぃ=地引網

しみったれ=稼ぎが多いのに貧乏臭い、ケチの意。金がないのは含まない。

しゃっぽ=帽子のこと。語源は仏語のle chapeau(ル・シャポー)。九十九里浜で仏船が座礁し、助けた浜の者に乗組員が帽子をあげたことに由来(時代考証未確認)するとか。夷隅郡市だけでなく、九十九里~安房郡市の外海まで広く使われる語彙。田舎ですが、国際的な素性はあると思います。

しらさぎ=コサギ、チュウサギ、ダイサギの総称、3種を区別する語彙はない。

しりもぐり=アリジゴク(ウスバカゲロウの幼虫)

しょう=塗装や草木や材料に含まれる油分、樟脳の樟、精魂、もしくは全ての複合だと思われるが、植物ではクスノキだけに限らない。動物や人間の場合は、オス、男性に限り、この場合、『しょうが抜けた』は、精魂がない、腑抜けの意。

しょうか=生家、読み方の夷隅郡市ことば。

じょうぼ=敷地と公道の接点、公道までの道(ドライブウェイ)標準語にはない語彙。標準語の『私道』と違うのは、近所で『共有する私道』も存在し、それも『じょうぼ』に含まれる。

しょったれる=海に入るか、潮風に当たってベトベトする様。

じゅんぐり=順番通り(シーケンシャル)

すい=鋤鍬(すきくわ)

すてれっぱつ=超特大

すまがっつぉ=スマ(スズキ目サバ科の魚)(縞鰹が転じた?)産地消費のみ。

すぅも=籾殻

せき=堰で造った貯水池、使い方の夷隅郡市ことば。

ぜんな=チョウセンハマグリの子供で長生郡市ことば。外海ではアサリが獲れないため、アサリの代用食。代用食の方が一般的に見れば贅沢だが。

せんひろ=マンボウの腸のこと。茹でて食し美味。安房郡市ことばだが全国的に有名。

せいかち=カブトムシ。さいかちの木にいるから、さいかちの匂いがするから『さいかち』、さらに転じて『せいかち』に。

せわねぇ=手間がかからない

そいでさぁねぇ=それで(夷隅郡市かつ若い女性ことば、使わなくなったらおばさん)

→そう→=いう

↑そう↓=其処

●た行

だかっよ=だから、後述の『だもん』とはニュアンスの差があり『それ見たことか』、『俺の話を聞け』的な意に使う。

だけんが=けれども、『だけっが』に変化している場合も多いが、あくまで個人の話し方の差。

たつぼ=タニシ

だもん=だから(標準語?)

たんげ=淡水のカラスガイのこと。ミヤコタナゴが産卵するマツカサガイは含まない。釣り人は海水のイガイ(ムール貝)をカラスガイと呼ぶが無関係の別種。

ちこ=乳首、ちなみに私、3つあります。

ちっこ=母乳、後に哺乳瓶の人工乳も含む様に。

ぢのもん=地元の者や物、基本的には夷隅郡市内の出身か生産か水揚げのこと。『地』が濁ったので、『じのもん』は不正解。

ちゃっけぇ=小さい

つける=(家庭)寿司を作る(例:にしらげの婆さん、寿司つけたんけ?食わしてくんな!)

つくどす=突き刺す(突き通すが転じた?)

~っつぁ=~坂、『~っつぁか』だったろうと思われる。末尾の『か』が省略されたのでしょう。坂に固有名詞がある場合に限る。ない場合は『さか』で標準語と同じ。(例:どてらっつぁ=勝浦市大沢、しらっつぁ=いすみ市新田野)

てぇ=鯛、接頭語が付き、それが母音で終わる場合(ほぼ全て)、夷隅郡市ことばの基本(母音後の『た行』は濁る)通り、『~でぇ』に変化する。(例:くろでぇ、投網でおせたかっよ!)

でぇじ=大事のこと。茨城県含む北関東では『大丈夫』の意。全く違う意なので使う場合、話す相手の出身に注意。

でぇじんどん=金持ちのこと。民謡『会津磐梯山』のお囃子の『小原庄助さん』と同様の蔑みの気持ちが入った語彙。

てしょ=小皿

てぐらかし=手元が陰になり暗い様。『灯台元暗し』とほぼ同義。

でっぱつ=特大

とう=ヒイラギ(標準語かも?)20代半ば過ぎ聞き分けが悪くなった女を『とうが立つ』っていいますね?ヒイラギの葉に例えて、棘が生えてるって意?現代では、とうが立つより、『ハリセンボン』の方がぴったりの女性多し?

とうじん=話が通じない者。広く全国で使われた語彙。元の意は唐人(中国人)。1度転じて『話が通じない者』のことに。戦中の中国人蔑視で、『話が通じない者』が2度転じ、『低知能者』等の差別用語に変化した。戦後禁句扱いになり死語になりつつある。夷隅郡市では1度転じた意のまま保存されている。

とおきい=遠い

どかり【岬】=大きなうねり(ビッグスウェル)

どぢぼ=ドチザメの子供

どっだれぇ=泥だらけ

とっぽい=カクイイこと。東京都の下町でも使うが、こちらでは何時の頃かカクワルの意に変化してしまい全く逆の意。使う場合、話す相手の出身に注意。

とんび=トビ(標準和名)、『とんびに油揚げさらわれる』、『とんびが鷹を産む』等、諺では『とんび』であることから、かなり広域(東日本全体の?)ことばだと思われる。『トビ』と呼ぶ者より多数派?

●な行

ながらみ=キサゴ、茹でて食し美味。長生郡市ことばだが標準和名より有名。

なす=生む、成す、の両方の意。標準語では、『生む』、と『成す』、は使い分ける。

なにより=大したことなく良かった!という見舞いのことば。

なまだ=ウツボ(艶語から転じた?)

なみする=波乗り(サーフィン)のこと。波が動詞なのは夷隅郡市だけ。

なめろう=たたきの変種のことで、盛っていた皿についた身まで舐め取るるほど美味だったから『なめろう』というとか。『おきなます』とも呼ぶ。夷隅郡市だけでなく房総半島全体ことば。夷隅郡市特有の食べ方として、保存性を上げ、旨みを上げるため三杯酢を入れ冷蔵庫で冷やしたものがある。本来の『なます』に近く、『なます』といえば良いのに、『すなめろう』という者もいて、『スナメリ』と聞き間違いしやすい。他に夏の盛り食欲増進のため、香味を増やし氷水で溶いた『水なます』もあり、こちらは冷飯にぶっかけて食す。美味。

にし=あなた(お主が転じた?)

にぎりめし=おにぎり(標準語かも?)

ねぇさん=人妻(次の代が結婚するまでいくつになっても)、使い方の夷隅郡市ことば。

●は行

はぁ=最早、既に(過去完了形のみの夷隅郡市ことば)

ばぁさん=人妻(次の代が結婚したらいくら若くても)、使い方の夷隅郡市ことば。

ばぁり=ばかり、だけ

はかしょ=墓地

はがち=ムカデ

はしけぇ=ちくちくむずがゆい様。脱穀するときに籾殻の毛でそうなる。(はしかの様が転じた?)

はや=早く、速く(現在進行形と未来形のみの夷隅郡市ことば)

はらも=カツオのハラス

はるた=乾田を耕し、水を入れ、畦を切り、水田を代かきし、畦に泥を塗る、田植えまでの一連の農作業。田植えだけは含まれない。

はれぇ=晴れがましいこと。『はれぇがいい』ともいう。76年周期で地球に接近する彗星ではない。

はれぇがわりぃ=気分が晴れない、天気の晴れ具合が悪い様。『はれぇ』の対語だが、『はれぇがわりぃ』方が使う頻度が高い。

ばんかた=夕方

ひねり=お年玉のこと。標準語では芸に対するチップのことを、『おひねり』というが夷隅郡市では芸をしなくても貰える。

ひゃっけぇ=冷たい

ひょうぐる=噴き出す様(例:しょんべん、ひょうぐってこぉさ!)

ひらぼ=イソシジミ、釣り人はアケミガイと呼ぶ。

↓ひる↑=ニンニク(標準語かも?)

→ひる→=ヤマビル(標準語かも?)

↑ひる↓=肛門からものを出す様(標準語かも?)(例:にっしゃ、屁ひったんけ?)

ふうがわりぃ=カクワル、恥ずかしい、『とっぽい』の対語。『ふう』、『ふうがいい』という対語は存在しない。

ふうまんげぇる=ウシガエル(他の種のカエルは『~げぇる』、ヒキガエルなら『あんご』、カエル類全般なら『げぇこ』)

ふうまんどじょう【夷隅】=ウシガエルの幼生(オタマジャクシ)

ぶたばこ=汚い部屋のこと。(刑務所や太った人の部屋ではない)しかし、太った人の部屋は大抵汚い。これ如何に?ことばの話ではないので、ここでは割愛しますが。

ふんまら=全裸(男性)

べた=凪のこと。夷隅郡市ことばと標準語のくりかえしの、『ベタナギ』が標準語化しつつある。

ぼうしゅっこ=清澄山系産のメジロ(昔は珍重されて標準語の語彙にもあったとか。上総から見て安房を『房州』、安房から上総を見て『総州』だったので、『安房の子』の意です)蛇足ですが安房郡市で南房総市、とか夷隅郡市で外房市では、歴史的背景が解らなくなります!

ほんこん=本当に、のこと。中国広東省の旧英領の都市ではない。

ほんせん=外房線のこと。使い方の夷隅郡市ことば。『東線』ともいう。こちらは房総東線だった頃の名残り。

ほとくさま=仏様、仏壇

●ま行

ましお=黒潮が沿岸を洗い透明度が増し海水温が上がること。

まきべぇ=槇塀のこと。イヌマキは千葉県々木。『まきべい』と発すれば標準語だが、山武郡市~長生郡市~夷隅郡市の御宿町まで槇塀が多くあり、標準語より使う頻度は高い。

まち=祭り

まっで=まるで、100%に限りなく近い

まんま=飯の幼児用語(標準語かも?)だが、大人も使うことについては夷隅郡市ことば。

みお=離岸流(リップカレント)のこと。使い方の夷隅郡市ことば。標準語で『澪』は船引き波のこと。銚子を舞台にしたNHK連続テレビ小説の『澪つくし』の『澪』は船舶が通り易い水路のこと。夷隅郡市ことばの【よぶ】の意に近い。それを指し示すために立てた杭が『澪標』で、『標』は、突き刺して設置するので、海上郡市ことばで『つくし』というのでしょう。夷隅郡市ことばの『つくどす』と関連性があると思われる。

みそぴぃ=味噌と落花生でつくる逸品。『みそらっかせい』という語彙はない。『ぴぃみそ』と呼ぶ’12年現在55歳以上の世代もいる。この地域だけでなく、千葉県全域、茨城県全域、栃木県南東部にわたる広域ことば。飯のおかず、酒の肴、おやつ、お茶の友、など様々な食べ方が。千葉県では給食にも出る。食べずに大人になると、決して好きにはならない。夷隅郡市で最も《ジャンク&ソウル》な食べ物。

みょうぶた=ミヤコタナゴ

むぐる=潜水(潜るが転じた?)

むじな=アナグマ

むすめ=独身女性(嫁に行っていなければいくつになっても)、使い方の夷隅郡市ことば。

めそっこ=シラスウナギのこと。一宮川と夷隅川が有名です。静岡県で大きくなったとしても、幼いころに捕まったのは千葉県、でも本当の出身はマリアナ海溝あたり。

めんめ=ちっこ(母乳、後に哺乳瓶の人工乳も)の乳児用語。

もくぞ=モクズガニ(もくぞといそっぴ以外のカニは『~がに』という)

●や行

やま=森林のことです。平らでも『やま』と呼ぶ。本当の山は具体名か地区名で呼ぶ。使い方の夷隅郡市ことば。

ゆうつ=(数量が)いくつ、(年齢が)いくつ

よぶ=離岸流(リップカレント)でできる砂底の深みのこと。

●ら行

~らげ=~の家

りこもん=利口者のこと。リモート・コントロールの略のリモコンのことではない。

●わ行

わりかし=割と、割合に(東京下町と共通?)

●ん

~ん~=~の~(例:おとこんこ)

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